渋谷未来デザインの事務局長の大澤です。
2020年(令和2年)4月から事務局長を務めさせていただいております。
早いもので、渋谷未来デザインに来て、およそ2年弱が経ちます。就任早々、新型コロナウィルスの感染拡大により最初の緊急事態宣言が出され、世の中が一変しました。
以来、“オンラインスタディ”、“バーチャル渋谷”、“クラウドファンディング”、“ハロウィーンフェス”など、コロナ禍でできること、やるべきことに、渋谷未来デザインに関わってくださっている皆さん、関係するパートナー企業の皆様方とともに、ある意味、必死に走り続けて来たように感じています。
行政の立場で見てきた渋谷を、新たな視点で見つめる
私は渋谷区で38年間、行政の立場で様々な部署を経験してきましたが、渋谷区には、いわゆる区民と呼ばれる、主に渋谷区のエリアに住んでいる住民のために取り組む事業のほかに、渋谷という地域特性に起因する様々な社会課題が数多く存在し、そのための取り組みは必ずしも進んでいない状況がかつてはありました。
例えば、渋谷駅周辺のまちづくりは、山手線の主要駅の中でも、駅ビルをはじめとする周辺再開発の進展は遅れた状況であり、震災時の危険性や、街の魅力の減衰が長らく指摘されていました。また、イベントが開催されている訳でもないのに、ハロウィーンや年末カウントダウンの時には、スクランブル交差点周辺に多くの無節操な群衆が集まり、一歩間違えると危険といった状況が続いていました。街には路上生活者も多く、公園は禁止看板だらけの使いにくい空間となっていました。
こういった課題への取り組みに、ここ10年間ほど私は行政側から関わらせていただいてきました。何とか一定の進展をみることができ、渋谷駅周辺の再開発も一定の目途が立ち、エリアマネージメントや宮下公園、北谷公園などの新たな公共空間のカタチも実現しましたが、さらに取り組みを進めるべき課題、とりわけ行政だけでは取り組めない課題が存在することをかねてより強く感じていたところです。そういった中、渋谷未来デザインに関わらせていただくこととなり、これまでの渋谷区の取り組みを、渋谷未来デザインという新たな立場から、地域の産官学民の多様なステークホルダーの力を借りながら、さらに進展させることが自らの役割であるとあらためて強く思うところです。
“道半ば”の渋谷未来デザインが抱える課題
しかし、あらためて感じていることは、発足して4年目を迎える渋谷未来デザインには、まだまだ課題があるということです。
長谷部区長流に言うと、まさにモンスター級ともいえる、これまで様々な分野で活躍され、実績を重ねてきた長田さんや金山さん、久保田さんや後藤さんをはじめ、本当に多彩なメンバーが参画してくださっている渋谷未来デザインですが、渋谷区における地域の社会課題に道筋をつけ、解決に導くための財源や人材についても、渋谷区との連携協力関係についても、まだまだ不十分で、まさに道半ばであると感じています。
おかげさまでパートナー会員企業様は100社を超えましたが、会員企業にとって我々渋谷未来デザインがどのような存在であるべきかについても、更にあるべき姿を求めていく必要があります。
全国に約1,700ある基礎自治体に一般社団法人である渋谷未来デザインとまったく同じような組織は存在しません。このことは我々が先例のない存在であり、かつ持続可能な組織になることで、その存在意義を示していければと考えています。
渋谷区とともに取り組むべき課題、関係のパートナー会員企業様と取り組むべき課題、そのための財源や人材などのリソースの確保、プロジェクトごとの収支バランスを見据えながら、渋谷未来デザイン全体の収支についても、持続可能なものにする必要があり、まだ取り組めていない収益事業への取り組みや、会員企業をさらに増やしていくと同時に、渋谷区やパートナー企業との新たな協業の可能性を拡げる必要があると認識しています。
メンバー/パートナー会員企業と共に、持続可能な組織へ
幸い、渋谷未来デザインには、これまで多様な分野で活躍され、実績を重ねてきた本当に多彩なメンバーが参画してくださっています。また、渋谷区も長谷部区長を先頭に我々との連携協力関係をより進めようとしてくれています。さらには、我々の渋谷区エリアにおける取り組みに価値や意義を見い出してくださるパートナー会員企業の方々の参画も徐々に増えております。こういった流れや動きを活かしながら、渋谷未来デザインの存在を、誰かが見ても持続可能であると言っていただける組織にすることが、私の現在の最大のミッションであると考えています。
あらためて皆様方のご理解とご協力、ご支援とご連携をお願いしたいと存じます。
ぜひ、日本中、もしかしたら世界中のどこにもない組織である渋谷未来デザインのこれからを、ご一緒にデザインして参りましょう。