“渋谷=サステナ都市”の輪を拡大!新コンソーシアム「CNUD」MEET UP第一弾レポート!【次回は3/21(木)開催】

レポート

【INFO】
次回「CNUD MEET UP #2」は3月21日(木) 開催!
どなたでも無料でご参加いただけます(要事前申込)
? 渋谷未来デザイン 会員企業の方は こちら から詳細の確認・参加申込を行なっていただけます
? 会員でない方は お問い合わせ からお申し込みください

 

若者によるサステナブルな社会の実現を目指すプラットフォームである一般社団法人SWiTCHと渋谷未来デザインは、「2030年までに渋谷を若者と一緒に世界一の“サステナブル都市”へ」を目標に掲げ、これまでに「渋谷COPアカデミー」など様々な活動を行なってきました。

渋谷から始まったサステナブルの輪は、最初は小さいものでした。しかし、世界の気候変動、生物の多様性など地球の未来に対するレクチャーや意見交換の場づくりなどを通して、若者が主役であると力強くメッセージを発信し続けたSWiTCH代表理事の佐座マナさんの声は、多くの若者やビジネスパーソン、企業、行政の共感を呼び、その輪はだんだんと拡大してきました。

そして2023年11月、「SIW(Social Innovation Week) 2023」にて渋谷未来デザインと一般社団法人SWiTCHは、産官学が脱炭素について議論を重ねる場としてコンソーシアム「CNUD(Carbon Neutral Urban Design=カーボンニュートラルアーバンデザイン)」を立ち上げることを発表しました。

脱炭素の世界各国の動きや精度などの最新情報、技術を共有して、サステナブルなアーバンカルチャーの実現に向けた発信を渋谷から行なっていくCNUDの活動が、いよいよ本格化します。ここでは2024年1月23日に開催された「CNUD MEET UP Vol,1」の模様をレポートします。

 


 

2部構成で開催された記念すべき「CNUD MEET UP Vol.1」。
冒頭は、佐座さんからSWiTCHのこれまでの活動について紹介(詳細は一般社団法人SWiTCHオフィシャサイトへ)。改めてCNUDの目的である「渋谷からサステナブルなアーバンカルチャーを世界へ発信する」が伝えられます。そして、「渋谷」を「消費する街」として表現し、だからこそ若い世代と一緒にサステナブル都市にする意義があり、世界へ発信できるのだと強調。

つづいて、佐座さんから2023年11月30日(木)〜12月12日(火)にドバイで開催された「COP28」に参加しての感想と、最新情報の報告がありました。

 

SDGsと脱炭素に関する世界的な枠組みについて改めて整理すると…。

2015年12月に開催された「COP21」で「パリ協定」が採択。「パリ協定」は、温室効果ガス削減に関する取り組みとして、世界共通で「産業革命前から世界平均気温上昇を2℃(努力目標1.5℃以内)に抑える」という目標を掲げたものです(2015年9月に国連総会で、「SDGs(持続可能な開発目標)」が採択されています)。

「COP」は基本的に毎年開催されており(コロナ禍の「COP26」は、2020年から2021年に開催延期)、「COP26」では「グラスゴー気候合意」(環境省「気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)について」)があり、「パリ協定」での大枠ルール、二カ国間でのCO2排出権取引の規則などが固まりました。つづく「COP27」では、「シャルムエルシェイク実施計画」(環境省「脱炭素ポータル」:COP27(国連気候変動枠組条約第27回締約国会議)の結果概要について)が合意されました。

 

 

そして、「COP28」でも約2週間の会期で「石油燃料からの転換に合意」「損失と損害の基金の設立」「カーボンマーケットの議論開始」など様々な議論、合意がありました。SWiTCHCOP28に日本政府団として参加。佐座を含む5名をドバイに派遣しました。ジャパン・パビリオンでセミナーを主催するなど、現地で世界各国の方々とコミュニケーションを取ってきた佐座さんは「COP28」のトピックとして以下の3つを紹介しました。

 

  1. カーボンオフセットは古い
  2. ネイチャーポジティブ(生物の多様性)がメインテーマ
  3. 若者の声の反映は必要不可欠

 

1.5℃の実現はすでに当たり前となっており、脱炭素の先にある「ネイチャーポジティブ(生態系にプラスのインパクトを与える取り組み)」の議論がスタートしている。また、2021年にG7で合意された「30 by 30」(2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標)をどう加速化させるかが重要な視点となる。という世界の潮流について解説がありました。

 

続いて、佐座さんは 2023年12月19日に行われた「SHIBUYA COP 2023」の模様も紹介。環境省 地球環境局、日立製作所、日本電気、パナソニックホールディングス、東芝、ダイキン工業など「COP28」に参加した企業による報告会での「いよいよアクションを起こすタイミングに入った」「企業主導から生活者も巻き込んだフェーズに移行した」「将来のリーダーとなる若い世代の参加が不可欠」といった意見を取り上げ、いよいよ脱炭素は若い世代を筆頭に、一般生活者も巻き込んで行動に移す時期になったことを伝えました。

 

 

第2部では、レコテック株式会社の大村さんをファシリテーターに迎えCNUD MEMBERであるスタートアップ企業8社によるピッチが行われました。1部では、いよいよサステナブル社会の実現に向けて、行政・企業・生活者のアクションが求められるフェーズに入ったことが伝えられましたが、そのような世界的枠組みの変化のなかで、日本のスタートアップ企業のイノベーションも数多く生まれています。

登壇した8社の着眼点やビジネススキームは斬新なものばかりで、このようなビジネスが社会課題をどう解決し、我々の生活様式をどう変化させていくのか、非常に楽しみです。

登壇したのは下記の8社。真空率99.5%を実現した技術「shin-ku」を活用したフードロス削減を目指すインターホールディングス株式会社、日本最大級のエシカルメディア「エシカルな暮らし」とコミュニティ型店舗「エシカルな暮らしLAB」を展開する株式会社Gab。そして、不要になった衣料品を全国3,000拠点に設置した回収ステーション「PASSTO」で年間1.2万トンも回収し、リサイクルを行うECOMMIT株式会社。差別化しにくい企業が取り組むサステナブル活動にストーリーを紡ぎ、ブランディングを手掛けるWELISM株式会社。2023年9月に民間では初となるカーボンクレジット取引所である「JCX(日本カーボンクレジット取引所)」をオープンした渋谷ブレンド株式会社など目から鱗が落ちる独創的かつ現実的なイノベーションが発表されました(サービスやイノベーションの詳細や企業理念は、リンク先のオフィシャルサイトをご覧ください)。

 

【ピッチに参加したスタートアップ企業】
株式会社CONVEY
株式会社komham
インターホールディングス株式会社
株式会社Gab
ECOMMIT株式会社
WELISM株式会社
渋谷ブレンド株式会社
CACTUS TOKYO

 

8社の中から3社をピックアップして紹介します。

 

株式会社CONVEY

「美しい物流をつくる」を掲げ、2024年問題など日本の物流課題の解決を目指すのが株式会社CONVEYです。近年のECの普及により、宅配便の梱包ゴミの片付け・処理に多くの人がストレスを感じているばかりでなく、ダンボール製造・回収で発生するCO2は年間700万トンとも言われています。

同社は、繰り返し使える「シェアバッグ®︎」で人にも地球にも優しいサステナブルな購入体験を実現しています。連携したECサイトではユーザーが購入時に梱包方法として「シェアバッグ®︎」を選択できるようになっており、これまで購入者の2〜30%が「シェアバッグ®︎」を選択し、バッグの返却率100%だそうです。

株式会社komham

2020年に設立された株式会社komhamは、微生物によるバイオマスリサイクルシステム「スマートコンポスト®️」の販売・設置を行うスタートアップです。

ヨーロッパでは生ゴミを堆肥化するコンポストの普及が進んでいますが、日本は農地が少ないため、ゴミを堆肥にしても無駄になることが多く、資源循環を構築しにくい現状があります。

同社が開発した「スマートコンポスト®️」は、一般的なコンポストの処理スピードでは数週間かかるものを1〜3日というスピードを処理し、生成される堆肥量も日本に合わせて非常に少なくなっています。ソーラー電池によって駆動するため、CO2排出量も削減でき、IoT技術を掛け合わせることで様々なデータの取得という活用法にも期待できます。

株式会社CACTUS TOKYO

ネイチャーポジティブ(生物多様性)を育むブランド「CACTUS TOKYO」は、本革と差がない高品質なサボテンレザー利用した新しい「皮革製品」を展開するアパレルブランドです。

サステナブルの動きとともに天然皮革製品の見直しも始まっていますが、同社の特徴は天然皮革を使用しない、という選択に加え、ネイチャーポジティブのサイクルを生み出す設計が背景にあります。原料であるサボテンを砂漠で栽培することで、サボテンに虫や微生物が集まります。次にそれらを食物とする小動物が集まり、小動物を狙う大型生物が現れます。

今後は法的に駆除される外来種からの素材の開発を考えているとのことです。

 

 

第一部・第二部を通じて、多角的な視点でサステナブルを体感できた「CNUD MEET UP Vol.1」。最後に渋谷未来デザイン 久保田が、一般社団法人SWiTCHとのファーストコンタクトを振り返ります。

「我々から『サステナブルのプロジェクトを一緒にやれないか?』と打診したところ、佐座さんから『“渋谷を世界一のサステナブルの街”にするつもりならやりますよ』と返ってきました。その当時は“世界一”なんて難しいだろうと思っていたのですが、一連の活動を通じて徐々にその機運が高まってきていることを実感しています」

その言葉の通り、「渋谷×サステナブル」のアクションは拡大し続けています。しかし、CNUDの発足はまだまだスタート地点。今後の活動にもご注目いただき、またぜひ、CNUDに実際に参加してともに歩んでいただける方々をお待ちしています。

 


 

【INFO】
次回「CNUD MEET UP #2」は3月21日(木) 開催!
どなたでも無料でご参加いただけます(要事前申込)
? 渋谷未来デザイン 会員企業の方は こちら から詳細の確認・参加申込を行なっていただけます
? 会員でない方は お問い合わせ からお申し込みください