渋谷未来デザイン 2022年度事業報告会【レポート】

レポート

3月15日(水)、渋谷未来デザイン(以下、FDS)の会員企業の皆さまをお招きして、2022年度事業報告会を執り行いました。今期取り組んできたプロジェクトの報告と、次年度以降の展望をお伝えするとともに、FDSのFuture Designerの面々を迎えたトークセッションが行われました。
また、長谷部渋谷区長から渋谷区の2023年度当初予算案概要を説明いただき、その後、澤田副区長、小泉FDS代表理事も加わってのトークセッションも行われました。

事業報告会のあとには第二部として、今年も11月に開催を予定しているSOCIAL INNOVATION WEEK 2023のキックオフとなる説明会も併せて開催いたしました。

「一般社団法人渋谷未来デザイン 2022年度事業報告会 & SIW2023 概要説明会」
日時:2023年3月15日(水) 16:00-
会場:FREUDE by BMW – CONNECTED THROUGH TIME

 

代表理事・小泉から皆さまへご挨拶

理事 兼 事務局長・長田から2022年度の事業報告

 

その後、FDSの Future Designerである佐藤夏生さん、野村恭彦さん、齋藤精一さんを迎え、ジェネラルプロデューサー金山のファシリテートのもとトークセッションが行われました。ここではその模様を詳細にレポートします。

<登壇>
佐藤夏生(EVERY DAY IS THE DAY クリエイティブディレクター)
野村恭彦(Slow Innovation株式会社 代表取締役)
齋藤精一(パノラマティクス主宰)
金山淳吾(渋谷未来デザイン ジェネラルプロデューサー)

トークセッションでは、最初にFuture Designerの3人が、FDSに寄せる期待について語りました。

齋藤さんは、FDSの良さについて、「文化とポリシー、アクションに加えて、ストリートの要素が取り入れられている点が特徴的。この要素があるかないかで、街の雰囲気が大きく変わる」と述べました。

「FDSの取り組みは、行政とは異なる視点で行われている。”ストリート”という目線があるからこそ、新しいアイデアが生まれている」(斎藤さん)

また、渋谷で生まれたさまざまなアイデアとノウハウが「東京都内だけでなく、さまざまな地方に共有されていくことを期待している」といいます。

これに野村さんも共感を示し、「FDSが発足した当初は、企業もFDSとどのように関わればいいのか分からなかった部分もあると思う。でも、今では企業の力もあって、”面白い渋谷”が次々と誕生している」としながら、そんな渋谷がもっと活躍すれば他の地域での取り組みもより充実していくはず、と話しました。

また、2拠点生活を送る人も増えている昨今、どの地域でも関係人口を増やすことに注力していることを踏まえながら、野村さんは、以前は渋谷への来街者を包摂する言葉だった「渋谷民」を、よりグローバルに広く捉えても良いのではないかと提案。

「例えば電子市民制度を使って、(離れたところで暮らす人たちも渋谷のまちづくりに)アイデア段階から積極的に参加し、実装される際には本当に渋谷に来るような仕組みをつくるなど、渋谷をつくっていく人たちをもっとエンパワーメントすることができるはず」(野村さん)

さまざまなアイデアが渋谷区という枠組みを超えてより広く普及していくこと、また同時に、渋谷区の枠組みの外から多様なアイデアが渋谷に入ってきて実装されることで、より豊かなイノベーションが生まれていくのかもしれません。

佐藤さんも、FDS設立当初を振り返り、やはり当時は「自分はどう動けばいいかよくわからない部分があった」と述べながらも、これまでの5年間で「最初はわからなかった“共創社会時代の働き方”がわかるようになった」と話します。

「この5年間、FDSの活動やSOCIAL INNOVATION WEEK(以下、SIW)に参加しながら、自分が持つ興味やクリエイティビティによって何かにコミットしていくという動き方ができるようになったと思う。おそらくこれが20世紀の経済モデルとこれからの共創社会の差。次世代の働き方とはこういうことか、と学びながら体感できた。この働き方はまさに正解がなく、上司もいなければミッションもない。参加していく人だけが何かを得られる、というそんな共創社会時代の動きにぜひこれからもジョインしてほしい」(佐藤さん)

また、金山はFDSを発足させて良かったと思うこととして、「渋谷5Gエンターテイメント」を例に挙げ、「このプロジェクトは、SIWのトークセッションでの話から始まり、コンソーシアムをつくるプロセスの中で立ち上がったもので、FDSにとって理想的なプロジェクトの立ち上がり方だ」と説明。

「もし、いつ誰と何を話し始めていいかわからなかったらSIWをターゲットにしてほしい。今、企業が抱えている課題に対して何ができるんだろうということを社内だけで考えるのではなく、いろんな経歴の人が集まっているFDSやSIWをうまく使ってもらえればいい。何かをやりたいという夢を語ってると段々当事者になってくる。例えば、渋谷区と話し合いをしていることなどは力強い社内説得の材料になるはず。そういったアクションタンクとして付き合っていただけるとありがたい」(金山)

また、4人はこれから渋谷で生まれてほしい新しいカルチャーについても意見を交わしました。

齋藤さんは、文化はつくろうと思ってつくれるものではなく「文化をつくるためには熱量の高い街が必要だ」と述べました。そして、「文化はひとつの場所だけでつくるものではなく、他の自治体や企業・団体とパートナーシップを組んでリモートで関係を築きながら共創的に熱量を持って動いていくことが必要」と語りました。

野村さんは、「文化を作ると能動的に捉えるならば、「ちがいをちからに変える街。渋谷区」に沿った新しい文化を作りたい」と発言し、人権や権利に注目することで新しい強い文化が生まれると述べました。そして、渋谷区では子供に注目しているが、次はペットや動物の権利を作っていくことで、新しい権利という文化が生まれる可能性があると述べました。

それを受けて、佐藤さんは「共創時代は街にコミットした人しか街づくりはできないが、渋谷にはFDSやFuture Designerなど、渋谷にコミットしているさまざまな人たちが集まっていることから、文化が生まれやすい」と述べました。また、「新しい文化」については、実は「新しいもの」と「文化」の間には大きな距離があると指摘した上で、「新しいものの中で残ったものが本物の文化になる」と語りました。

最後に齋藤さんは「街にコミットし、熱意を持って動くことが街づくりの鍵になる」、野村さんは「やりたいという想いを実現する場所としてFDSを利用してほしい」と、会場に集まったFDSの会員企業の皆さんへ向けてメッセージを送りました。また佐藤さんは「FDSは普通の会社組織とは違う共創社会の場所であり、コミットして参加することが重要」とあらためて強調しました。
金山は「FDSでは、会社のいろんな部署の方々を引き合わせていただくことも大歓迎。FDSにもFuture Designerの方々をはじめ、たくさんのコンピテンシーを持った人たちが揃っているので、ぜひ皆さんと一緒にいろいろなことに取り組んでいきたい」と語り、トークセッションの幕を閉じました。

 

その後は、長谷部渋谷区長に登壇いただき、渋谷区の2023年度当初予算案概要を説明いただきました。

そして、澤田 渋谷区副区長CIO、小泉 FDS代表理事も加わってのトークセッションへ。

 

FDSの理事を務める、西武信用金庫 常務理事 長澤貴淑さんからご挨拶をいただき、第一部は終了。

その後は第二部として、2023年度のSOCIAL INNOVATION WEEKのキックオフを兼ねた概要説明会を執り行いました。
今年度のビジョンの共有のほか、会場にお越しいただいたSIW2022のパートナー企業の皆さまからのお話をいただき、また今年度さらに深く進めていこうしている学生連携について昨年度の実例を紹介するなど、充実した内容となりました。

コアラスリープジャパン株式会社 マーケティングディレクター 尾澤恭子さん

スマドリ株式会社 取締役CMO 元田済さん

渋谷区役所 経営企画部スマートシティ推進担当課長 加藤茜さん

昨年、SIW Student Ambassadorとして参加した青山学院大学2年生 手塚颯一朗さん

 

 

SIW2023 概要説明会の後は、ささやかながら懇親会の場に。

当日はオンラインでの配信も同時に行ないましたが、リアルな場へ大勢の方にご来場いただきました。
渋谷未来デザイン、そしてSOCIAL INNOVATION WEEKから今後もより豊かなプロジェクトが生まれていく可能性が感じられる場となりました。

 

SOCIAL INNOVATION WEEK
https://social-innovation-week-shibuya.jp