2025年度 スケートパークプロジェクト活動レポートVol.1

レポート

代々木公園BE STAGEで広がるスケートボードの可能性

渋谷未来デザインは2025年度を通じて、代々木公園BE STAGEにおけるスケートボードプロジェクトの企画・推進に取り組みました。

本プロジェクトは、単にスケートボードを楽しむ場所を作るだけでなく、公園空間の新たな価値を引き出し、都市とカルチャー、人と人とをつなぐ場を育てていくことを目的としたものです。設計段階から運営、イベント実施、教育プログラム、利用者アンケートまでを一貫して推進し、BE STAGEならではの都市型スケートボード環境のあり方を具体化してきました。

設計から関わり、都市型スケート環境の方向性を提案
BE STAGEの特徴の一つであるスケートボードパークは、当初、企画検討が停滞しており、施設価値を最大化するための方向性整理が求められていました。そこで渋谷未来デザインは、EVISEN SKATEBOARD代表・南勝己氏をオブザーバーとして招聘し、専門的知見を踏まえた再設計プロセスを推進しました。
検討にあたって重視したのは、欧米で広がる「スケートプラザ」型の考え方です。従来の専用パーク的な発想ではなく、公園環境に自然に溶け込み、公共空間との親和性や回遊性、安全性を重視した設計思想を提案。このコンセプトは採用され、BE STAGEにおける新たな都市型スケート環境の方向性を示す大きな一歩となりました。

ブランド共創イベントで、パークの価値を拡張
2025年度は、国内外のスケートボードブランドと連携し、BE STAGEを実際に「人が集まり、使われ、語られる場」へと育てる取り組みを進めました。
7月18日には、屋外スケートパークおよびストリートセクションで、プロスケーターによる「Test Ride」を実施。イベント運用を想定しながら、各セクション間の動線や難易度、利用時のリスクポイントを多角的に検証し、安全かつ円滑な運営に向けた有効なフィードバックを得ました。

8月8日には、「HUF x Evisen Night Skate Session」を開催。
代々木公園内多目的スタジオ「Spot.」と屋外スケートパークを併用した、開園後初の屋内外連動型イベントとなりました。当日はスケート関係者、メディア、地域住民など約400名が来場。インスタレーション展示やDJ演出、飲食提供を交えた交流の場が生まれ、HUFのトラッシュボックスを活用した仮設セクションによるジャムセッションも実施。スケートパークイベントの新たなモデルケースを提示しました。

8月26日には、「Nike SB SUMMER NIGHT SESSION」を開催。Nike SB Air Max 95の日本発売に合わせ、スケートボード文化とスニーカーカルチャーの融合をテーマに展開しました。プロ・アマ合わせて約42名のスケーターが参加し、18時から20時30分までナイトセッションとトリックチャレンジを実施。来場者は約320名にのぼり、スケーターだけでなく地域住民やスニーカーファンなど、多様な層の来場につながりました。SNKRSアプリを活用した限定販売施策も行い、体験価値の拡張にも寄与しました。

学びの場としてのBE STAGEへ
2025年度の取り組みで特筆すべき点の一つが、「教育」という新たな価値を加えたことです。
10月17日には、世界的に著名なスケートボードフォトグラファー Atiba Jefferson の来日に合わせ、「VANS x VANTAN atiba Jefferson Photography Workshop」を実施しました。スケートボードやデザインを学ぶ専門学生を対象に、第一線で活躍するクリエイター本人から、ビジュアル表現の考え方や撮影手法、キャリア形成に関する実践的な知見が共有されました。
この取り組みは、BE STAGEがイベント会場としてだけでなく、次世代の担い手を育てる学びの場としても機能し得ることを示す実践となりました。

ストリートカルチャーを横断する大型フェスへ発展

10月18日には、「DON’T FRONT Powered by XLARGE」を開催。代々木公園・神南一丁目地区のストリートセクションを舞台に、スケートボード、ミュージック、ファッションを横断的に融合させた渋谷発のカルチャーフェスティバルとして展開され、延べ3,500人を超える来場者を記録しました。

プロスケーターによるトリックセッション、HIPHOPアーティストによるライブ、体験型アパレルブースなど、多彩なコンテンツが集結。BE STAGE周辺エリアが、単なる施設利用の枠を超え、都市型カルチャーの発信拠点として機能する可能性を強く示す機会となりました。