渋谷屈指の生活地における「ササハタハツのエリアマネジメント」

ササハタハツ
後藤太一(FDS コンサルタント)
後藤太一(FDS コンサルタント)

福岡在住のシブヤ民の後藤太一です。

世田谷区駒沢で生まれ育ち、渋谷は身近な繁華街でした。渋谷区在住在勤だった2003年に一発奮起して福岡に引っ越しました。福岡での公職に区切りがついた2015年に渋谷に再び関わりはじめ、FDSの設立に携わり、そのままメンバーとなりました。コロナ禍の前は、ほぼ毎週上京していました。

私の主担当は「ササハタハツのエリアマネジメント」です。
エリア名は京王線の笹塚駅・幡ヶ谷駅・初台駅の頭文字であり、渋谷区人口の約3分の1、84,000人が暮らすエリアです。5年で半分が入れ替わるほど住民の出入りが激しいのですが、働き手も多く、商店街や市民活動も盛況な区内屈指の「生活地」です。

エリアマネジメントは、行政と連携した民間主体のまちづくりのことです。日本では、丸の内や渋谷駅周辺など商業業務地区の再開発に連動して発展してきた概念です。不動産事業者ばかりでなく、町内会やNPO、地域に根差したビジネスなど、さまざまな主体が相互に連携していくことが地域の価値を高める鍵です。この発想を持続可能な取組みにしていくには、人や資金の確保や多様な関係者の調整などが課題になります。当エリアには大型の再開発が集積しておらず、大資本に頼らない新しい「経営力」が問われます。

この発想にもとづき、渋谷区、京王電鉄、FDSの3者は、2020年7月に「まちラボ」という新しいまちづくり団体を共同で設立しました。そして、「『地域に愛され、世界に誇る』ササハタハツを『みんなの力』でつくりあげる」を活動方針として、市民共創プロジェクトの支援、まちづくりビジョンの策定、官民連携事業の検討などに取り組んでいます。

当面のゴールは、渋谷区による旧・玉川上水緑道再整備を見据えて、多様な関係者が共同で仮設空間を設置し運営する実験的なイベントです。今秋の実施を目前に企画と調整に追われる日々ですが、新しいデジタル・ツールや官民連携手法も活用しつつ、プロセスを共有・公開していくことで、緑道の再整備や利活用のための新しいコミュニティをつくっていきたいと思います。人の顔や暮らしが見えることが嬉しく、そして類似事例が無いことにやりがいを感じています。

地域に居場所や繋がりが欲しい、思いをカタチにしたい、ビジネスをまちづくりに繋ぎたいなど、我こそはと思われる方は是非この取り組みにご参画ください。

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