渋谷区公認の“もうひとつの渋谷”。仮想空間『バーチャル渋谷』が、2020年5月19日にオープン。当日イベントにはのべ5万人以上もの観衆がそこに集まりました。
KDDI、渋谷未来デザイン、渋谷区観光協会を中心に、計50社の参画企業で組成される「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」によって立ち上げられたこのプラットフォームは、自宅に居ながらも活動を止めることなく、“渋谷らしい”コンテンツを体験できることをコンセプトとしています。
そのオープニングを飾り先鋭的なトークイベントが開催されましたが、まずはこのイベントに先駆けて5月15日にオンラインで行われた、プレス向け説明・質疑応答会の模様から紹介。
『渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト「バーチャル渋谷」
プレス向け説明・質疑応答会』
2020年5月15日(金)12:00~
<登壇者>
渋谷未来デザイン 事務局長 大澤一雅
KDDI株式会社ビジネスアグリゲーション本部アグリゲーション推進部 部長 繁田光平さん
渋谷未来デザイン フューチャーデザイナー 若槻千夏さん
ZOOMを利用したオンラインでの開催となったなか、渋谷未来デザイン 事務局長 大澤は
「新型コロナウィルスの影響でたくさんのイベントが中止になり、多くの皆さんにとってもいろいろな不自由があるなか、渋谷の街の活力が見えなくなってきている。こんなときにこそ、“もうひとつの渋谷” バーチャル渋谷にできることがあるのではないか。
“アフターコロナ”の時期がきたとき、リアルな渋谷がバーチャル渋谷とともに、渋谷らしいサステナブルなカルチャーを生み続けてくれたら。我々渋谷未来デザインは、渋谷のポテンシャルをさらに高めていくために、この施策に大きな期待を寄せています」
とコメント。
KDDI 繁田さんは
「事の始まりは、リアルな渋谷現地を5Gでアップデートして今まで以上に渋谷を楽しくしていこうという取り組みでした。しかし新型コロナウィルスの影響を受けて、渋谷からのカルチャー発信が止まってしまった。そこでバーチャル渋谷をつくり多くの人に集まっていただくことで、そこからカルチャーを発信し続けることができると考えました。
“アフターコロナ”の時期にも引き続き参画企業とともにコンテンツを発信し続けることで、次の“ニューノーマル”における「あらたな渋谷」に繋げていきたい。
観光をするのも難しい時代に、たとえば渋谷に行くのであれば、今日は現地に行くけど明日はバーチャル渋谷に集まろう、とか、海外からも気軽に行けたりといったように、リアルとバーチャルのハイブリッドで渋谷の体験をつくり上げていきたい」
と語りました。
また、渋谷未来デザイン フューチャーデザイナーの若槻千夏さんはビデオメッセージで参加。
「わたしの大好きな渋谷がバーチャルになって登場しました。
渋谷を発信地としてバーチャルな世界でエンタメのあたらしい可能性をつくりだしていけたら」
と期待を寄せました。
『#渋谷攻殻 NIGHT by au 5G』イベントレポート
2020年5月19日(火)19:00~
<登壇>
渋谷未来デザイン フューチャーデザイナー 若槻千夏さん(司会進行)
SEKAI NO OWARI DJ LOVEさん
S/U/P/E/R DOMMUNE 代表 宇川直宏さん
にじさんじ所属バーチャルライバー アンジュ・カトリーナさん
アーカイブ映像はこちら?
※本編スタートは再生開始後30:00〜
5月19日19時、各々がアバター化された観衆が、「バーチャル渋谷」内のスクランブル交差点に設営されたステージ前に集いました。
“バーチャル空間のなかで肉体を離れて自由にトークする40分”として、この先鋭的なイベントはスタート。
登壇者が本物そっくりのアバターとなってステージ上に登場すると、観衆は拍手や声援などの機能を使って熱気を表現します。
進行は若槻千夏さん。「バーチャル渋谷、来てみていかがですか?」との問いに、宇川さんは、
「スクランブル交差点は昔から“賑わい”の象徴。しかし今やソーシャルディスタンシングの観測のシンボルになっている。だからバーチャル空間のスクランブル交差点にみんなで集まれているというのは感慨深い」と語ります。
若槻「これはまさにアバターだからできること。イベント開始時点で5,000人がここに集まってますよ!」
そしてまずは「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」の概要を説明。ステージ上の(バーチャルな)スクリーンに説明映像が投影され、それを(バーチャルに)眺めている自分が既にこの仮想空間のなかに没入しきっていることに気付かされます。
では登壇者の皆さんは、5G時代がやってくることで、これからのエンタメはどう変わっていくと考えているのでしょうか。
DJ LOVE「会場に物理的に足を運べない人にもライブを楽しんでもらえるようになったらいい」
アンジュ「ライブ配信の世界でも、普段スマホから見ている人は多いので、より快適な視聴体験をしてもらえると思う」
宇川「S/U/P/E/R DOMMUNEでは、例えばセンシングデバイスを用いて脳波データを活用したパフォーマンスをしたり、遠隔からVJ映像を操作したりと、生の現場の臨場感をいかにサイバースペース上に投げかけるか、あるいは逆にサイバースペース上で行なわれていることをリアルな空間にどう融合させていくかということに、au 5Gとともに取り組もうとしている」
と、それぞれの立場から5G時代におけるエンタメのあたらしい可能性に期待を寄せました。
するとここで、登壇者がステージから降り、来場者と一緒に渋谷の街を散策するという、リアル世界ではなかなか考えられないような状況に。
スクランブル交差点からSHIBUYA 109の前まで、来場者に入り混じって歩きながら、
「ここに昔、鯨料理屋があってさ」
「ここのカフェで女の子と待ち合わせした思い出が」
などとリアルとバーチャルが交錯した会話が。
そしてSHIBUYA 109前で展開されている『攻殻機動隊』の展示スペースまで到着したところで、バーチャル渋谷の時空が『攻殻機動隊 SAC_2045』の時代設定である2045年に移動! 空間に広告などの未来的なサイネージがそこかしこに出現し、バーチャルな渋谷、のなかの未来の世界、という入り組んだ空間へと観衆がいざなわれます。
皆で再びスクランブル交差点の特設ステージへ戻り、ここからは『攻殻機動隊 SAC_2045』の魅力を語るコーナー。
“ネタバレ”をしない程度に、各登壇者が攻殻ファンならではの熱のあるトークを繰り広げました。
DJ LOVE「今作から3DCGになって、アクションに奥行きが生まれてわかりやすくなりましたよね」
アンジュ「3DCGになったタチコマ(※作中に登場する人気キャラクター)の動きがリアルで、これまでのアニメとはまた違ったかわいさがあります」
宇川「『攻殻機動隊』をはじめて観た95年は地下鉄サリン事件と阪神淡路大震災があって、サイバーパンクな世界観とリアルが地続きに感じられた。今回も2020年の“コロナ禍”においてあたらしい『攻殻』が観られて、またバーチャルと現実のリンクが起きていて意義深い」
『攻殻』トークが次第に熱を帯びるなか、あっというまにエンディングの時間に。
若槻さんが「バーチャル渋谷でイベントするなんて、もっと未来の話だと思ってたけど、もう目の前に来た。夢が広がるイベントでした」と語るとおり、参加した観衆も皆一様に、未来を少しだけ“実体験”できた一夜になったのではないでしょうか。
これからも5Gを活用したエンタメの、あるいは渋谷の街の発展に、期待が高まります。
登壇者コメント
若槻千夏さん
思い入れのある渋谷がとてもリアルに再現されていて感動しました!初めてのアバター操作に、初めてお会いする方々と “初めて” 尽くしで、当初は難しいかなと思ったのですが、意外と緊張せず、未来のエンターテイメントの形を参加者の方々と共に一緒に楽しむことができました。
これから先、au5Gが普及して、エリアが広がったり、できることが増えたりと自分自身もタレントとして、ママとして様々なことに挑戦し、この「バーチャル渋谷」を盛り上げていければと思います!
DJ LOVEさん
大好きな『攻殻機動隊』の世界にダイブした感覚で、とっても楽しく、夢が広がる素敵なイベントでした。これから更に進化していくのを楽しみに、いつかは音楽ライブもできればいいなと思います。
そこでは、今まで物理的に会場に足を運べなかった人にも楽しんで貰えるものを作りたい。参加したお客さん同士でコミュニケーションをとれると面白くなるんじゃないかなと思います。
宇川直宏さん
想像以上に未来の世界を体験することができた。今、こういう世の中において「リアル」が揺らいでいる中、「バーチャル」と連携し、様々なカルチャーを生み出してきたこの渋谷という街で人々が集まれたのは本当に意味のある、歴史的な出来事だと思う。
今後、同じような状況に陥ることがあったとしても、カルチャーをつなぎ続けることができる新しいエンターテイメントの形に挑戦していきたいと思います!
アンジュ・カトリーナさん
普段知っている渋谷の街並みが攻殻機動隊の世界に染められ、大好きなタチコマも出没するなどと、攻殻ファンの自分も大興奮のひと時でした!
今回は自宅からの参戦ということで途中まさかの、自身が消えてしまうというトラブルが起きましたが、それもバーチャルイベントならではの醍醐味というか、緊張が解けるきっかけになり楽しむことができました(笑)
今後の「バーチャル渋谷」の楽しみ方
攻殻機動隊の世界観を表現したバーチャル渋谷は、ご好評につき5月31日までご体験頂けます。
・5月31日までのバーチャル渋谷への入口:
https://cluster.mu/e/bee95acc-5c7f-4ebb-b08a-606348747487
※6月1日以降のバーチャル渋谷に関しては下記をご参照ください。
・バーチャル渋谷について:
https://shibuya5g.org/article/virtual-shibuya/