【実施レポート】Co-Creation Academy Session 03:「データ分析による社会課題発見」

レポート

渋谷未来デザイン が主催する「Co-Creation Academy」。第3回目では、「データ分析による社会課題発見」をテーマに渋谷未来デザインコンサルタントの久保田夏彦とプロデューサー菅野太郎が講師を務め、講義とワークショップを実施しました。

本講義では、複雑化する都市課題に対し、経験や勘だけではなくデータに基づいて意思決定を行う「EBPM(エビデンスに基づく政策立案)」の考え方を学びました。
“データとは事実を記録したもの”という基本に立ち返り、主観的な感覚をどのように客観的な根拠へと変換していくのか、そのプロセスが具体的な事例とともに共有されました。

また、GISや3D都市モデル、リアルタイムデータなど、都市を多角的に捉えるための技術についても紹介され、データを活用したまちづくりの可能性を実感する機会となりました。

ワークショップ:データで渋谷の課題を読み解く
講義後は、参加者がグループに分かれ、以下のテーマでディスカッションを行いました。

・渋谷の課題を一つ選び、どのデータを組み合わせて解決するか
・渋谷で日常的に感じる課題を起点に、必要なデータを設計する
・解決に向けて、どのようなプレイヤーを巻き込むべきか

交通、防災、環境、賑わいなど多様な視点から課題が挙げられ、
「人流データ×空間データ」や「環境データ×行動データ」など、複数のデータを掛け合わせることで新たな解決アプローチが検討されました。

さらに、行政・企業・市民といった異なる立場のプレイヤーをどう巻き込むかという議論も行われ、実装を見据えた具体的なアイデアが各グループから発表されました。

まとめ:データ活用の本質とは
本セッションを通じて、データ活用において重要な3つの視点が示されました。

① データは手段、目的は「どんな街にしたいか」
データ分析はあくまで手段であり、最も重要なのは「どんな都市を実現したいのか」というビジョンです。ツールや技術の前に、解決したい課題を明確にすることの重要性が強調されました。

② スモールスタートで始める
高度なシステム構築を目指す前に、まずは身近なデータの整理から始めることが第一歩です。Excelの整理や、公開されている3D都市モデル「PLATEAU」を活用するなど、小さく始めることの重要性が共有されました。

③ 現場の勘 × データ = 説得力ある政策
現場で感じる違和感や仮説に対し、データで裏付けを行うことで、より説得力のある意思決定が可能になります。感覚とデータを掛け合わせることが、行政・企業・市民を動かす力となることが示されました。

本アカデミーは、行政・企業・市民が交わりながら、社会実装につながる学びを深める場です。
参加者は今回得た視点をもとに、次回までに自らの課題仮説を持ち寄り、さらに議論を深めていきます。データを“使う”だけでなく、“どう活かすか”。
その問いに向き合う一歩となる実践的なセッションとなりました。