渋谷未来デザインが、ダイキン工業株式会社と国立大学法人大阪大学とともに立ち上げた「SHIBUYA GREEN SHIFT PROJECT」における対話・意見交換から得た着想を指針とし、ダイキン工業株式会社、東急株式会社、東急不動産株式会社は東京・渋谷エリアを中心に「まちなかにおける屋外クールダウンプロジェクト」を実施しています。渋谷区立北谷公園やShibuya Sakura Stageなど公園空間や商業施設屋外ひろばにおいて、クールスポット設置による暑熱の緩和や、空調室外機まわりの緑化による排熱の緩和、省エネ効果の実証に取り組んでいます。
■「まちなかにおける屋外クールダウンプロジェクト」概要
本プロジェクトでは、SHIBUYA GREEN SHIFT PROJECTにおける対話・意見交換から得た着想を指針とし、ダイキン工業株式会社、東急株式会社、東急不動産株式会社の三社が、東京・渋谷エリアを中心に、都立代々木公園Be Stage、Shibuya Sakura Stageなどに暑熱対策として令和7年9月末までクールスポットを設置しました。また、しぶきたパートナーズの協力の下、渋谷区立北谷公園のおいても同年7月末までクールスポットを設置しました。
クールスポットでは、ダイキン工業株式会社の屋外エアコン「アウタータワー」やミスト等を組み合わせて設置し、熱中症予防のための指標である暑さ指数(WBGT値)の低下を図るとともに、屋外を冷やす理想的な方法や、利用者の滞留性、行動の変化を分析します。クールスポットは、用途や利用者層の異なる複数の場所に導入することで、より効果的な設置場所も検証します。また、渋谷公園通商店街振興組合の協力の下、特定のビルの屋上にて芋緑化※1等を行うことで、室外機近辺の温度上昇を防ぎ、ヒートアイランド現象の抑制を図ります。さらに、緑化による空調機の運転効率の改善や、データ活用による空調の省エネ運用の電力削減効果を検証、クールスポットによる電力消費増の相殺に挑戦し、環境負荷を増やさずに、街なかのクールダウンを推進します。
なお、本プロジェクトは、国土交通省の令和7年度脱炭素・クールダウン都市開発推進事業として採択されています。(採択事業者はダイキン工業株式会社、東急株式会社、東急不動産株式会社の3社)
※1 株式会社日建設計と住友商事株式会社が共同で開発した技術で、空調室外機の周りに芋の葉を繁茂させ、葉による日陰効果と蒸散作用により機器周辺の温度を下げることで空調電力の低減効果を得る仕組み(2016年特許取得済)。
<SHIBUYA GREEN SHIFT PROJECTについて>
一般社団法人渋谷未来デザインは、渋谷区が掲げる「世界最前線の実験都市」という構想のもと、2024年6月にダイキン工業株式会社、国立大学法人大阪大学とともに、渋谷における脱炭素アクションと社会実験を共創する「SHIBUYA GREEN SHIFT PROJECT」を立ち上げました。地球温暖化が進む中で都市が抱える課題解決に向け、脱炭素を進めながら街をより心地よく、緑豊かにするためのアイデアを実証、提示することで、渋谷区のみならず社会全体の持続発展につながるソリューションを社会実装していくことを目指しています。このプロジェクトには東急、東急不動産もパートナーとして参画しており、空調機から得られるデータを活用した効率的な空調の運用、暑熱対策を目的とした渋谷の街なかへのクールスポットの設置、屋上緑化等の生物多様性保全の加速に取り組んできました。こうした過去の活動で得られた知見も、今回の実証実験に活用していく予定です。
HP:https://fds.or.jp/cnud_pj/shibuya-green-shift-project/