人流データとディープラーニングを用いて、渋谷駅周辺のハロウィーン当日人流予測データを発表

プレスリリース

 

渋谷区公認バーチャル渋谷のハロウィーン企画と連動してステイホームを啓蒙

一般社団法人渋谷未来デザイン(以下、渋谷未来デザイン)が主幹を務める「渋谷データコンソーシアム」は、社会課題ともなっている渋谷ハロウィーンについて、ステイホームで楽しんでもらうために、渋谷区公認バーチャル渋谷のハロウィーン企画と連動し、KDDI株式会社(以下、KDDI)が提供する人流データとディープラーニングを使い、株式会社GAUSSが構築したAIモデルを用いて、ハロウィーン当日の渋谷駅周辺の人流予測データを分析し発表しました。

<分析サマリ>
・全体では、ハロウィーン期間は、のべ177万人(※)がハチ公メッシュに滞在・移動すると予測。
・2020年比では、ハロウィーン期間は137.6%、直近2日間は140.4%の予測。

予測要件について

KDDI株式会社が提供する2019年7月から2021年8月の26ヶ月分の人口動態データを元に、特に混雑が予想される、渋谷ハチ公周辺125mメッシュのハロウィーン期間(10/25~10/31)の人流予測を実施。

〇KDDI株式会社からの提供データ(KDDI Location Data)
任意の対象期間、対象エリアにおいて、個別に同意を得たauスマートフォンの端末から定期的に蓄積するGPS位置情報などに、時間帯、標準地域メッシュなどの単位に加工および集計を施した統計データを提供するサービス。
https://k-locationdata.kddi.com/

〇データ要件
・対象エリア ハチ公前周辺(125m四方)
・対象期間 2019年7月-2021年8月(26か月分)
・データ種別 性別 年代別 1時間毎の滞在人口・移動人口

対象となるハチ公前メッシュコード(52293596111)の人口動態データと、人流に関連すると考えられる平日・土日祝、イベント、天気・気温、緊急事態宣言、コロナ感染者数といった、その他データをインプットデータとし、ディープラーニングを用いてハロウィン期間(10/25~10/31)のハチ公前メッシュコードの性別、年代別の1時間毎の滞在人口・移動人口を予測しました。

予測手法について

「データ収集」、「データの前処理」、「モデルの学習」、「テスト・モデル選択」、「予測の実行」の5つの流れで行いました。

①データ収集
インプットデータについて、CSV、JSON形式で様々なソースからデータを収集。

②データの前処理
インプットデータにおいて、人数の正規化、ワンホットエンコーディング、日付・時間の変換を行う。また、特徴量エンジニアリングを行い、不要な項目を削除。インプットデータのデータ整理を実行。

③モデルの学習
様々なタイプのNN(ニューラルネットワーク)モデルとML(機会学習)モデルを計8パターン作成し学習を行う。ハイパーパラメーターとレイヤーを調整し精度を向上させる。
※作成モデル
1. Stacked LSTM
2. CNN LSTM
3. Vanilla LSTM
4. CNN
5. Linear Regression
6. Ridge
7. Gradient Boosting
8. KNN regressor

④テスト・モデル選択
インプットデータを95%の学習データと5%のテストデータに分け、テストを実行。
MAE(平均絶対誤差)を評価指標とし、最良なモデルの選択を行う。
結果として、平均788.77人の人数に対し、MAE7.61の結果となったCNN LSTMモデルを最適な予測モデルとして選択。

⑤予測の実行
最適な予測モデルCNN LSTMで予測を実行し、アウトプットデータを作成。

予測モデルの詳細図

予測結果

■全体
全体では、ハロウィーン期間は、のべ177万人(※)がハチ公メッシュに滞在・移動すると予測します。2020年比では、ハロウィーン期間は137.6%、直近2日間は140.4%の予測です。
<ハロウィーン期間(10/25~10/31)>

<直近2日間(10/30~10/31)>

■時間帯別
時間帯別の予測では、18時が人流ピークの予測となります。

■年代別
年代別では、20代が最も多く、2020年比ではハロウィーン期間は139.7%、直近2日間は144.8%と予測されます。
<ハロウィーン期間(10/25~10/31)>

<直近2日間(10/30~10/31)>

今後、予測値と当日の同データとの比較を行い、来年に向けて予測の精度を高める活動を継続し、これからも社会課題解決に寄与していきます。また、SOCIAL INNOVATION WEEK 2021(https://social-innovation-week-shibuya.jp/)検証セッションの実施や、来年度への精度を高めるアイデアを募る活動も予定しています。

人流データ提供:
KDDI株式会社 https://www.kddi.com/
KDDI Location Data(人口動態データ) https://k-locationdata.kddi.com/

データ解析:
株式会社GAUSS  https://gauss-ai.jp/
※一般社団法人 日本ディープラーニング協会 正会員

【株式会社GAUSS】
2017年創業のAIスタートアップ企業。「想像した未来を創造する」をミッションとし、様々な業界でAIを活用して社会に新しい価値を提供。2018年に簡単にAI開発が行えるAIプラットフォーム「GAUSS Foundation Platform」をリリース、現在多くのソリューション基盤に活用される。中でも建設・製造業向けの映像ソリューションである「GAUDi EYE」は東証一部上場企業をはじめ多くの現場に新たな価値を提供する。また、創業より研究開発として手掛けた代表的なAIとして、機械学習技術で競馬予測をする「AI競馬予想SIVA」が上げられる。
株式会社GAUSS https://gauss-ai.jp/