再開発により変化しつづける渋谷駅前エリア。<一般社団法人渋谷駅前エリアマネジメント>は、公共空間をより有意義に活用し、サステナブルで魅力的な街づくりを推進しています。同社の事務局長・井上さんに、渋谷未来デザイン事務局長・長田がお話をうかがいました。【ダイジェスト】
公共空間で生み出した収益を街づくりに還元する
長田 あらためて、井上さんが事務局長を務める一般社団法人渋谷駅前エリアマネジメントについて簡単にご説明いただけますか。
井上 これからも渋谷駅前では、多様な公共空間が整備されてきます。官民連携により公共空間を活用することで、新たなビジネス展開や様々な挑戦ができる環境を作っていくことが我々の役割だと思っています。
そこで生み出された収益はしっかり街に還元して、さらに街の価値を上げていく。そうやってお金が循環している状態が我々の目指す姿だと思っています。
長田 渋谷エリマネさんが扱っている公共空間というと、たとえばいまお話をしている、ここ、渋谷駅の東口地下広場も。
井上 はい、ここは2019年の秋にあたらしくできた地下広場ですが、分類上は、渋谷区の区道ということになるんです。
長田 あ、ここって道路という扱いなんですね。
井上 はい。ですので、道路上にカフェを設置するというのは、普通ではなかなか難しいところがありますが、渋谷エリマネとして特例をいただくことで設置ができたり。あとこの広場のおもしろい取り組みでいうと、公衆トイレと併設のパウダールームですね。
ここは性別を問わず誰にでも無料で使っていただけるパウダールームなんですが、協賛により得られた広告収入を、トイレの清掃費に還元するというような循環型のモデルになっています。
また広場に大きくとられた壁面も広告展開ができるようになっています。最近は音楽グループの広告なども多く、ファンのみなさんが立ち止まって写真を撮ったりしており、新たなフォトスポットとして定着してきています。
こういった広告収入もまた、清掃費だったり、街づくり活動費に還元していくモデルになってます。
長田 こうした公共空間が出来上がったあとに、その場所の魅力を持続可能なかたちで高めていくのが渋谷エリマネさんの役割ということですね?
井上 そうですね。いろいろな法律や制度があるなかで、いかにしてまちの賑わい創出などに公共空間を活用できるようにしていくかというところが、我々の仕事のひとつです。
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