テクノロジーが、渋谷のまちを良くする方向へ使われるように——関 治之【インタビュー】

ニュース

コード・フォー・ジャパンでの活動をはじめ、社会をより良くするためのテクノロジーのあり方を模索してきた関さん。この度、一般社団法人渋谷未来デザインの「Future Designer」にも就任した彼に、これから渋谷で行なっていきたい活動についてお話を聞きました。【ダイジェスト】

 

自分の技術を、企業のためだけでなく、社会のために活かすこと

 

——まずは関さんのこれまでのキャリアについて教えてください。

もともと私はエンジニアで、スタートアップなどいろんな会社で働いてきました。現在では会社経営もしていますが、いまだにコーディングを自分でもしますし、自分のことは技術者だと思っています。

2011年に東日本大震災があったときに、有志で集った仲間と一緒に、被災各地の情報を集約するためのウェブサイトをボランティアでつくったんです。それまで、自分の技術力は企業のために発揮するものだと漠然と思っていましたが、それだけじゃなくて何か課題を解決するために役立てることに興味を持つようになりました。

その後、引き続き被災地のためにお手伝いできることを探して活動していくなかで行政の方々とも話をするようになり、そこでIT技術をもっとうまく活用できる余地を感じ、2013年にコード・フォー・ジャパンの立ち上げに至りました。

被災地の避難住民向けに情報を発信するタブレット端末向けのアプリ開発のサポートをしたり、避難所のデータや災害に関するデータなどを公開するオープンデータの活動に取り組むなかで、だんだんいろんな自治体のお手伝いをするようになり、今ではシビックテック(※市民がテクノロジーを活用して社会課題の解決を目指す取り組み)やガブテック(※行政と民間が協業しテクノロジーの活用で行政サービスを効率化していくこと)といった領域でいろんな研修をやったり、ソフトウェアを提供したりといった活動をしています。

 

——それぞれの活動で一貫している思いは何かありますか?

はい。やっぱり私は技術者なので、テクノロジーがもっとうまく世の中に使われてほしいという思いがあります。

特に震災以降に感じていることですが、技術はちゃんと使わないと、例えば人を分断してしまったり、人の仕事を奪ったり、争いを生んでしまったりと、悪い方向にも使えてしまうものです。だからそれがちゃんと世の中を良くする方向に向くようにしたいと思っています。

公共空間をみんなで自由にクリエイティブに使えるまち

 

——関さんから見て、渋谷はどんなまちですか?

私自身、渋谷に引っ越してきて結構長いんですが、住んでいるのが初台のほうなので、渋谷駅周辺のビジーな感じというよりも、落ち着いたまちの印象が強いです。明治神宮や代々木公園だったり、自分に身近なところでいうと笹塚〜初台の緑道だったり、実は緑の多いまちなんですよね。

たとえば緑道空間をもっと活かしていくために、テクノロジーを使って——

続きは  >>渋谷未来デザインのコラム連載『VOICE』でお読みください。