【渋谷の熱を可視化】渋谷における高精度の熱中症ハザードマップを公開

レポート

渋谷未来デザインとダイキン工業株式会社が共同で推進する「SHIBUYA GREEN SHIFT PROJECT」は、株式会社日建設計総合研究所、株式会社ビーキャップとの4者共同で、データとテクノロジーを駆使した新たな暑さ対策「熱中症ハザードマッププロジェクト」を実施しました 。
本プロジェクトは、渋谷国際都市共創機構(SII)の補助金事業として採択され、過密都市特有の「暑さの正体」を可視化し、データを公開することでより快適な都市環境の構築を目指しています 。

■ 背景:公式気温と「体感温度」の大きな乖離

近年、夏季の猛暑は都市生活において深刻な社会課題となっています。特にビルが立ち並びアスファルトに囲まれた渋谷では、気象庁が発表する公式気温(地上1.5m・百葉箱内)と、歩行者が路上で感じる「実際の暑さ」との間に5〜15℃もの乖離が生じていると言われています 。
この「体感のギャップ」を埋め、歩行者の安全を守るためには、より高精度でリアルタイムな情報の可視化が不可欠でした 。
通常、気象庁の気温測定は、直射日光を避けた風通しの良い「百葉箱」内(地上1.5m)で行われますが、都市部ではアスファルトの照り返しや直射日光の影響により、人間が感じる温度は公式値より5~15℃も高いとされています。

■ 3つの最先端データを融合した熱中症ハザードマップ

道玄坂一丁目エリアをモデルケースに、以下の3つの異なるデータを高度に融合。1m単位という極めて細かい精度で、時間帯別の熱中症リスクを算出するハザードマップを試験的に作成しました 。
本プロジェクトでは、この「実際の暑さ」を捉えるため、以下の3つのデータを融合させ、道玄坂一丁目エリアにおける熱中症の評価に使用できる1mメッシュの熱中症ハザードマップを試験的に作成しました。

  • ダイキンの「Airネット」データ:
    街中に設置されたエアコン室外機のセンサーから、新規設備投資なしで高密度な外気温度データを取得
  • 日建総研の「日陰マップ」データ:
    5mメッシュという極めて細かい精度で、建物の影の影響をシミュレーション
  • 国土交通省の「PLATEAU」:
    3D都市モデルで、直達日射をシュミレーション

■人流データに基づいた「効果的な対策」の提案

本プロジェクトでは、単に暑さを可視化するだけではなく、対策の最適化も検証しました。人流データに基づき、商業施設への移動ルートを分析した結果、ミストなどの「クールスポット」は、単なる通過動線よりも、「坂道などの身体負荷が大きい場所」や「交差点・待合場所などの短期滞在エリア」に設置する方が、利用率が高く行動変容を促しやすいということが分かりました

これにより、「どの通りの、どの時間が、どのくらい暑いか」を時間単位で詳細に可視化することが可能になるとともに、主要商業施設へのルート案内と、最も効果の見込まれるクールスポット設置箇所の想定が行えるようになりました。

■ 今後の展望

SHIBUYA GREEN SHIFT PROJECTでは、今回の実証結果をもとに、渋谷を訪れる人々が夏でも安心して移動できるスマートシティの実現を目指します 。テクノロジーを街に実装し、官民連携で都市のアップデートを続けてまいります。

プロジェクトサイト:https://fds.or.jp/cnud_pj/shibuya-green-shift-project/