渋谷の街をキャンバスに。都市型アートエキシビジョンとは「WHITE NIGHT WEEK SHIBUYA」【レポート⑧】

レポート
渋谷の街をキャンバスに。都市型アートエキシビジョンとは「WHITE NIGHT WEEK SHIBUYA」【レポート⑧】

WHITE NIGHT WEEK SHIBUYA

DAY 3 –SESSION2
「都市型アートエキシビジョン“2020 New Mood”」

日時:11月7日(木) 20:00〜20:45
登壇:
宮田 應大 (THINK GREEN PRODUCE)
片山 幹健 (一般社団法人 CLEAN&ART)
蜷川 健 (フリープロデューサー)
モデレーター:塚田 有那

White Night Weekの3日目。トークセッションの2コマ目は、「都市型アートエキシビジョン“2020 New Mood”」。

都市型アートエキシビジョンとは? 渋谷の街の可能性とは? 『New Mood』とは?2020年の東京オリンピック・パラリンピックが間近に控えていますが、音楽、ファッション、アートの発信地として“渋谷らしい迎え方”とはなんなのか? を4名が語ります。

都市型アートエキシビジョン“2020 New Mood”

「渋谷としての2020年を考え、渋谷らしいカルチャーを最大限に発信したいと考えていました。そのときに同じ想いを持っている片山さん、蜷川さんとたまたま出会った。渋谷という街を世界最大のキャンバスにして、国内外から渋谷に集まる人々にその熱を伝えたい。そして、2020年も大事だけど、それ以降を見据えた次代につなげる活動をしたいと思っています」(宮田さん)

そして、生まれたのが3名による共同で企画している都市型アートエキシビジョン「New Mood」です。渋谷のストリートの象徴である神宮前、ナイトタイムエコノミーでにぎわう百軒店、雑居ビル、廃墟、ギャラリー、DJバー、クラブ……渋谷が持つ多面的なカルチャーをどう表現するか? では、街全体をメディアとして活用すればいいのではないか? これがアイデアの起点となっています。

「渋谷の街はグラフィティが多いです。しかし、ほとんどがイリーガルで、壁や店のオーナーが迷惑している。私は、グラフィティアートそのものを否定していませんが、他人に迷惑をかけてしまっているものについては、なんとかしなければと思い、ROADCASTという落書きに悩む壁面をメディア活用して街の賑わいに変えていく事業をしつつ、非営利の立場でも一般社団法人CLEAN&ARTを立ち上げて落書きの問題に取り組んでいます」(片山さん)

ROADCASTとは、街の特性に合わせたポスターやアートで壁面を彩る活動で、街のブランディングや企業のプロモーションに有効、かつオーナーやアーティストにも収益が還元できる仕組みです。その好例が、渋谷の街全体を展示会とした「SHIBUYA/森山大道/NEXT GEN」です。

「森山大道さんの写真147点を渋谷の街全体に展示する都市型アートエキシビジョンを行いました。森山大道さんの写真の世界観と渋谷の街の特性を考え、できるたけ路地裏や目立たない場所に展示しました。街と溶け合うように、自然とそこにあるような見せ方にこだわりました」(片山さん)

「このアートエキシビジョンですごかったのは、企業さんのロゴがほとんど入っていないこと。アートと企業の結びつきでも非常に革新的な取組でしたよね」(蜷川さん)

「アートはビジネスサイドのサポートがないと継続性がなくなってしまうので、街(メディア)とアート。スポンサーとアート。ここの関係性は考えないといけない」(片山さん)

「僕が所属している会社THINK GREEN PRODUCEも、不動産、建築を通した空間プロデュースで街づくりを行っています。我々の会社としても渋谷に多くスペースがあり、その資産でどのようにアートやカルチャーを支援できるか? それを考えたときに渋谷の街全体をメディアとして、カルチャーを発信する『New Mood』の構想ができた。アーティストやミュージシャンが渋谷をキャンパスに2020年の夏時期(予定)に複合的に作品を発信していきます」(宮田さん)

「来年の『New Mood』をきっかけに世界中で同時多発的に同じような現象が起きればうれしい」(蜷川さん)

現在は、渋谷の街全体を使った大規模なプロジェクトになること、2020年の夏に行われることが決定。今後、具体的なアーティストや展示方法が決まっていくとのこと。

2020年に渋谷の街がどのようなアートに彩られるか、いまから期待が高まります。

都市型アートエキシビジョン“2020 New Mood”