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2019.12.04
カルチャーへの投資の根源を作るのが自分たちの役割「WHITE NIGHT WEEK SHIBUYA」【レポート⑤】

WHITE NIGHT WEEK SHIBUYA
DAY 2 – SESSION 2
「これからのナイトカルチャーとそれを作るユースカルチャーの在り方について」
日時:11月6日(水)20:00 ~ 20:45
登壇:
Kick a Show(シンガー)
鈴木 健(Ebisu Batica)
Romy Mats(DJ/ジャーナリスト/プロモーター)
YonYon(DJ/プロモーター/音楽プロデューサー/ラジオDJ)
<モデレーター> 鎌田 頼人(NEWSKOOL)


シンガー、クラブスタッフ、DJ、音楽プロデューサー、プロモーター、ジャーナリストなど様々な立場からクラブを中心としたナイトカルチャーとユースカルチャーに関わる5人が集まり、「これからのナイトカルチャーとそれを作るユースカルチャーの在り方」をテーマにしたトークセッションが行われました。

トークセッションでは「ナイトカルチャーについて」Ebisu Baticaの鈴木さんが、最近は客も演者も文化の衝突があると指摘。それについて「パーティは、クラブ、演者、客の三者の文化交流の中で作っていくもの」と前置きした上でこう語ります。

「Ebisu Baticaでは演者、客ともにまだこのカルチャーに慣れてない若い人が多くなっている中で、昔ならクラブ側が注意したようなことでも今は、クラブが彼らに寄り添いながらマナーを教えていくようにしている。例えば、昔はヒップホップであれば“先輩後輩”の関係があったが、今の若い人たちの間では自分たちのネットワークだけで完結するようなものが増えているため、マナーに関しても昔のように学ぶ機会自体が少なくなっていると思う」。

また「今のクラブ業界には先輩から教えてもらうような環境があるのか?」という質問について、Kick a Showさんは「あまりないと思う」とした上で、

「クラブに遊びに行った回数に応じて、そういった知識は増える。最低限の知識は必要だが、そういうことはそもそも先輩から教わるものではない」と自分の認識を示します。

一方で、YonYonさんが「基本ができていないにも関わらず、そういった若いDJたちをそれぞれのクラブがDJとして採用していることも問題なのでは?」と問題提起する場面も。「誰でもDJできるような敷居の低さはカルチャーの発展で考えると問題なのかもしれない。友達が多い、ノリだけで始められるようなものはいかがなものかと思う」と自身の考えを語りました。

そして「世界で戦えるDJを増やしていくには?」というテーマが出た際にDJ/オーガナイザーとして活躍するRomy Matsさんは、「オーガナイザーとして、アーティストをゲストに呼ぶという面でもコミュニケーションが重要。海外のDJだと、その母国語をシンプルなもので構わないのでいつも言えるようにしている。そうすることで場が和み、コミュニケーションも円滑になる」と語り、この日のモデレーターを務めた鎌田さんも「DJがクラブの現場に出演する機会を得るためにもマナーが大事でそれがコミュニケーションにつながる」との認識を示しました。

その後、今後、ナイトタイムエコノミーが推進されて行く中で、それぞれの立場から渋谷という街にどのように歩み寄っていくか?というテーマに及んだ際に、「ネオン管アーティストやスタイリストたちが知り合いに沢山いて、そういう人たちを世に送り出すエージェントを作ろうとしている。そのためにもみんなでもっとまとまっていく必要がある。感覚を共有できる人たちをパッケージし、日本だけでなく海外に打ち出すことができたら…」と語ったのはRomy Matsさん。

それに対し、鈴木さんは、「イギリスにあるようなアーティストたちのコミュニティスペースが渋谷にあればいい」と語り、続いてKick a Showさんも「行政がそういう場を設けてもいいし、逆にアーティスト側がそういう場を作ってもいい。大事なことは考えるのをやめないこと。やめない人が長くアーティスト活動を続けていける」と語りました。

一方、YonYonさんは「良いと思うものはみんなそれぞれ違う。しかし、そういったものを支えている人がそれぞれのシーンにいて、彼らの努力は無駄にしたくない。(行政の取り組みとしてナイトタイムエコノミーを推進するなら)その時は“メジャー”か“アンダーグラウンド”かとかではなく、本当に良いものをピックアップしてほしい」と語りました。

最後に鎌田さんは。これからのナイトカルチャーとそれを作るユースカルチャーの在り方について「現場で良いものを見た上で、周囲が積極的に投資することでボトムアップにシーンが育まれていく。その根源となるものを作っていくのが自分たちの役割だ」と語り、トークセッションを締めました。