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2019.12.04
クラブは自分と向き合い、何を選ぶべきかの作業を学ぶ場「WHITE NIGHT WEEK SHIBUYA」【レポート④】

WHITE NIGHT WEEK SHIBUYA
DAY 2 – SESSION 1
「クラブファッションとユースの視点から見たクラブカルチャーと現状について」
日時:11月6日(水)19:00〜19:45
登壇:
青野 賢一(ビームス創造研究所クリエイティブディレクター BEAMS RECORDSディレクター/文筆家/DJ)
Kotsu(UNTITLED|CYK)
垣畑 真由(DJ/ミュージックセレクター)


BEAMS RECORDSディレクターの青野賢一さんの進行のもと、DJのKotsuさん、垣畑真由さんが「ファッションとユースの視点から見たクラブカルチャーと現状」をテーマにトークセッションが行われました。

「最近の肌感で感じるクラブ、夜のシーンは?」という青野さんの質問に対し、Kotsuさんは、「19日連続で行くほど毎日クラブに通っている。最近は若い子が遊びに来ることが増えたし、自分も知らない若い子のパーティ情報をInstagramでよく見かける。そういう子たちは服も好きでスタイルとして遊びに来ているが、“音楽”が先行していてその次に“ファッション”がある印象を受ける」と語りました。

一方、垣畑さんは「私の周りは昔から年上の先輩が多い環境ではあるが、幅広い年代が集まるイベントも多いようにも思う。クラブにはファッションも音楽も両方好きな“カルチュラル”な人が集まっている」と続けました。

また「クラブに遊びに行く時はファッションも気にするのか?」という質問に対し、Kotsuさんは「Tシャツの色味なんかは気にするし、レコードレーベルのTシャツとかテクノのイベントだったら暗めの服を着て遊びに行くなどそのイベントにあったものを着るようにしている。あとは踊るから速乾性がある動きやすい服を選んでいる」と自らのクラブファッションのこだわりを明かします。

垣畑さんは「DJをやっていると袖に針が当たることがあるから基本的にはTシャツでクラブに遊びに行くことが多い。アーティストのTシャツを選ぶことも。タバコの匂いがつくから洗いやすいものがいい」と機能面でのこだわりを語りました。

ファッションと音楽の流行の足並みは一時期離れていたといいますが、最近のクラブシーンでは「目に見えてわかりやすいものはないかもしれないが、ムード的な面で音楽とファッションの結びつきは感じる。以前、レイヴミュージックが流行った時は、ストリート系の服を着てクラブに遊びに行くことが増えた。最近はゆったりしたファッションが流行りだしているのもあって、自分のDJもバレアリックなど心地良い曲を選曲するようになってきている」と語ったのはKotsuさん。

垣畑さんは「ファッションと音楽、どちらも強い影響力を持っているものであり、どこかしらでリンクしてくるものだと思う。 “わかる人にはわかる”選曲ってとても魅力的に感じるし、それが “わかる”ときって嬉しいし自分もそうゆう組み立ての選曲ができるようになりたい。そうやってクラブカルチャーの遊び方の核心部分に到達することができると今よりもっと楽しいはず」と、今後のシーン全体の成長へも期待を寄せます。

Kotsuさんは「服も選曲もある種、批評的な立場にいないといけない。そういうスタンスでいるともっと深く好きになれる。何を選ぶべきかを自分で理解するための作業をしていく方が文化的に豊かだと思う」と続けました。

トークセッションの最後では「これからのクラブカルチャー」についてトーク。Kotsuさんはこう語ります。

「ファッションと音楽はカルチャーの文法的に似ているもの。ジャンルで隔たりをつくるのではなく、共通項を探すことが重要。その合流地点、コミュニケーションの場所としてクラブがあってほしい」

続けて垣畑さんは、「昔はクラブに行かないと得られない情報がたくさんあったわけで。それを確かめるためにクラブに足を運んでいた人も多かったはず。でも今はその要素が薄れ、情報はSNS上で得ることができる時代で、クラブで得られる感度は薄くなってきているようにも思える。クラブに遊びに行く理由があれば、もっと楽しめるはず」と続けました。

また垣畑さんはこうも語ります。

「クラブに行く人とそうでない人がいるが、行かない人にも絶対にハマるイベントはある。自分の場合は、クラブカルチャーを楽しめる場所が見つかるまでいろいろ遊びに行った。だからクラブに偏見がある人はまずたくさん体験をしてほしい」

続けて青野さんは「一般的にクラブ体験というとチャラついていると思われがちだが、一歩そのカルチャーの中に入ると、世間が思っているよりも感覚がシャープになっていく場だと気づくはず。クラブには“自分と向き合う場”としての機能もある」と、自身の経験値からクラブのあるべき姿について話し、有意義なセッションは幕を閉じました。