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2019.09.28
SCRAMBLE STADIUM SHIBUYA クロストーク (SIW 2019) SESSION 1《レポート》

“多様な未来を考える12日間”「ソーシャルイノベーションウィーク渋谷」
DIVE DIVERSITY SESSION
Meet-Up「公園空間がつくる新しい価値」SESSION 1
2019年9月 22日(日) 16:00〜16:50
@渋谷ヒカリエ 8/COURT
<登壇>
株式会社ニューズピックス 取締役 新規事業担当
佐々木紀彦
株式会社ドワンゴ 代表取締役社長
慶應義塾大学 政策・メディア研究科 特別招聘教授
夏野剛
渋谷区長
長谷部健
早稲田大学スポーツ科学学術院教授、博士
間野義之
<ファシリテーター>
渋谷区観光協会 代表理事、渋谷未来デザイン 理事
金山淳吾


代々木公園エリアに、スポーツ・エンターテインメントの聖地となり、災害時には防災拠点にもなる、3万人収容規模のスタジアムパークをつくる——昨年の「SOCIAL INNOVATION WEEK」にて発表された『SCRAMBLE STADIUM SHIBUYA』構想。
それから1年間、オープンディスカッションやワークショップ、WEBアンケートなど、区民や渋谷を訪れる人たちに対して開かれたかたちで、広く意見を募り、議論を行ってきました。 ディスカッション/ワークショップの模様のレポートや寄せられた意見などは、オフィシャルサイトで見ることができます。

そんな同プロジェクト。構想発表後一年の節目での中間報告を兼ねたトークセッション、まず前半となる「SESSION 1」では、経済と文化の側面に着目したトークが展開されます。

長谷部渋谷区長はまず、「スタジアムの建設は区長選の際に公約に掲げたとおり、クリエイティブ、イノベーティブなまちづくりの軸として推進したい。世界、特にアジアの都市と比べると、経済や金融の面で東京は遅れ始めているなか、東京が胸を張って生き残れるためにエンタメを伸ばしていきたい。その本山のような存在が、このスタジアムだと考えています」と語ります。

ソーシャル経済メディア『NewsPicks』の佐々木さんは「コンテンツのニーズは世界的に高い。これからコンテンツ黄金時代がくる」とし、また「郊外のスタジアムは行き帰りが楽しくないけど、渋谷なら街全体で楽しめる」と賛同します。

スタジアムをスポーツ以外のエンタメに活用することにふれて夏野さんは、新国立競技場を例に挙げてこう指摘します。

「建設費用を抑えるために屋根をつけなかったから、今後採算が取れない施設になってしまったと思う。騒音の理由でコンサートが出来ないから。スタジアムに屋根をつけるべきなのは天候のためだけではありません。(こうした採算を含めた判断ができるよう、)このスタジアム構想は100%民間主導で進めてほしい」

渋谷〜新宿という大商業エリアの真ん中にある大自然——こんな文化拠点はあまり類を見ないものの、公園空間の大規模な整備は1965年に行われたまま。これが代々木公園の現状です。

長谷部「このプロジェクトの発端は、スポーツ振興を考えた上での代々木公園の活用についての議論から。代々木公園が軸となり街全体でスポーツが盛り上がることも目指したい。
 例えば、女性が深夜でもひとりでランニングできるような安全なフィールドがあれば、周辺の銭湯がランニングステーションの機能を持ったり、いつでもコールドプレスジュースが飲めたりするかもしれない。そんなふうに周辺の経済を上手く回していけるのでは」

間野さんは「防災拠点としての意味でも“屋根”は必要。VIPルームを多くつくるという計画も、災害時に特別な避難スペースとして活用するというのは合理的です。たとえば赤ちゃんがいる家族などにとっては、段ボールの仕切りでは厳しいところがあります」と、防災の観点から触れながら、やがて“シビックプライド”についての議題へシフト。

「いざというとき、渋谷の人が逃げ込める大切な場所。災害時には“あそこへ行けば大丈夫”とシンボリックにわかっていることは重要な意味があります。
 また平常時も、地域の一体感をつくるためには、みんなで応援できるスポーツがここにあるというのももちろん大事ですね」

長谷部「例えばストリートカルチャー、ストリートスポーツはこの街のエンジンだと思っています。ただ、道路でやるのは地域住民への配慮が必要です。しかし、このスタジアムパークにストリートスポーツに打ち込める場所があるといいですね」

夏野「東京を元気にすることは、日本を元気にすること。欠けているのは大きなスポーツ施設で、それが都心にあることで必ず次の世代の武器になります。まだ日本の経済に余裕があるうちにこういうスタジアムを作るべき」

金山は、最後に次のようにまとめます。

「代々木公園の未来を通して、東京の未来を考えていきたい。このスタジアム構想の議論が成熟して、もし仮に建設が実現しなかったとしても、議論が他に引き継がれ、いい東京になればいいと思っています」

長谷部さんは「重要なのはこれから。人口が減ってくると投資が集まらなくなる可能性もある。幸い渋谷区はこの先5年間は人口増の試算が出ています。民意を高めて5年以内に合意形成し、管轄である東京都に具体的に届けていきたい。ぜひ皆さんに背中を押してほしいです」


同プロジェクトのオフィシャルサイトでは、みなさんの意見やコメントを募集しています。ぜひお声を届けてください!

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