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2019.03.22
子供達と考える「理想の公園」——SCRAMBLE STADIUM SHIBUYA『公園クリエイターになろう!』【レポート】

代々木公園にスタジアムパークをつくるなら……今回はワークショップ形式で子供達から「こんな公園があったらいいな」というアイデアをイラストでプレゼンしてもらいました。そこには自由な発想で描かれた公園の未来像が。

『公園クリエイターになろう!』
2019/3/5(火)17:30〜19:30@渋谷区役所新庁舎 スペース428

<進行>
金山淳吾(渋谷区観光協会 代表理事、渋谷未来デザイン プロジェクトデザイナー)

代々木公園エリアに、スポーツ・ エンターテインメントの聖地であり、また災害時には防災拠点としても機能する、3万人収容規模のスタジアムパークをつくる——「SCRAMBLE STADIUM SHIBUYA」と名付けられたこの構想について、見識者や住民、公園利用者の方々と、これまでも広く意見交換をする場を設けてきたこのプロジェクト。

今回は代々木公園の未来を切り開く世代=子供たちを招いてのワークショップ形式で、より自由な発想をもった意見を聞かせてもらう場が開かれました。

子供たちにとっての、理想の公園とは?

会場となったのは、渋谷区役所新庁舎、最上階から渋谷区を一望する多目的スペース「スペース428」。集まったのは、様々なことに興味関心のある小学生と保護者の方々、計24名。下は小学校1年生という女の子も参加してくれました。

まずは渋谷未来デザイン 金山から、当スタジアム構想の概要をあらためて説明。その中で金山は、代々木公園が出来上がるまでの背景として、次のような歴史を紹介。

「代々木公園は歴史とともにその役割が変わってきました。
1940年代、当時日本にも軍隊があって、いま代々木公園がある場所は陸軍代々木練兵場と呼ばれて兵隊さんが訓練をするところでした。戦後は米軍の宿舎施設・ワシントンハイツが作られ、1964年には1度目の東京オリンピック開催、そこは選手村として活用され、その後、陸上競技場が作られました。」(抜粋)

時代のニーズとともに変化してきた代々木公園。でははたして、これからの時代を担う子供達はそこに、どんな場・どんな機能を求めるのでしょうか?

“公園にあったら嬉しいこと・ものを自由に考えよう” をテーマとして、代々木公園の区画の白地図の上にクレヨンと色鉛筆で、参加者の皆さんは自由に「あったらいいな」を描きこんでいくことに。一人ひとりが公園クリエイターとなり、それぞれの夢を膨らませます。

制限時間は45分間。結果、種々様々なアイデアが挙がりました。
ここでは印象的だったものをいくつか、抜粋してご紹介します。

<Mさん>
自然や遊具でたくさん遊べる公園。
道路から離れたところに池があって、釣りやボートで遊べたり、水遊びもできる。
ロボットや機械がたくさん配置してあって、いろんなしかけがある公園。
牛や羊などの動物もたくさんいる。
園内の高台からは公園を見渡せ、ツリーハウスで本を読める。
ボール遊びやスケボーなども、まわりに迷惑がかからなければやっていいスペースも作る。

<Sさん>
ボールを蹴られるサッカースペースや、バスケコートがあるなど、いろいろなスポーツができる公園。
まんなかに池を作り、まわりをお花畑にしてその周りをジョギングすることができる。
渋谷ではなかなかバーベキューが出来ないので、バーベキュー場も作りました。
バーベキュー場の隣の原っぱでは誰でもごろごろできるようになっています。

<Wさん>
みんなが楽しめる公園。
今より長くて楽しいサイクリングコースコースにはお花畑や遊具を配置して、それを見ながら走ることができる。
温泉も作って、足湯もできるように。また、プラネタリウムがあって、寝ながら星空を眺められる。
今あるドッグランは残して、それだけでなく、猫も楽しめるように「猫ラン」も作りました。

<Yさん>
私はブレイクダンスをやっているので、スポーツの練習ができるところにしたい。お母さんたちが練習についてきて待っててもらうときに便利な、カフェを作った。
ダンス、BMX、ローラースケート、グラフィティまで、いろんなアクティビティが楽しめる。ちっちゃい子が遊べるようなアスレチックもあります。

また、保護者として来場していた大人たちからも、おもしろいアイデアが寄せられました。

渋谷区立小学校PTA連合会 連絡協議会 理事 種村明宏さん

コンセプトは、「大人が子供から奪ってしまったものを取り戻す公園」。昔のように虫や魚がいて、それらを捕まえられる公園。川にいる魚は捕って持って帰っていいことにする。そのぶん魚は大人が増やせばいい。そんなフィッシングリバーがある。
複雑な遊具は要りません。子供達は発明家、自分たちで遊具を作ってしまいます。そんなプレイパークもある。また、子供の握力向上に役立つボルダリングのウォールも。
お父さんもお母さんも忙しくてなかなか遠くへは連れてつれていけないから、手軽に非日常に入り込める公園になるといい。

渋谷区議会議員 鈴木けんぽうさん

大好きな代々木公園の芝生広場は絶対に残したい。でも雨だと楽しめないので、中央に大きな木に見せかけた高い柱を作り、雨の日にはそこから大きなテントが張り出されて屋根になる。
近くの明治神宮には大鷹も住んでいるので、代々木公園には木をたくさん植えて大きな森に。その木の上には「空中アスレチック」を作り、子供たちは空中で遊べるように。
自分が子供の頃は代々木公園で木登りをしたものだけど、今は禁止。だから木登りをしてもし落ちてしまっても安全な地面を作りたい。 テクノロジーを使って、常に四季の自然が感じられるエリアや、今もある急坂では芝そりができるようにするなど、坂を積極的に楽しむ「坂ゾーン」も。


もちろん、空想と言ってしまえばそれまでですが、参加者それぞれの「あったらいいな」を考え、語るとき、みなさんの楽しそうな笑顔はとても印象的でした。

こうした自由な発想のなかにこそ、理想の公園を作るための希望の種があるのでしょう。それを具体的なアイデアに変換し育てていくのは、これからの大人の仕事。

最後に金山は振り返ります。

「いろんなアイデアをいただいてうれしい。
森のなかに入って行くといろんな楽しいことが詰まっているようなイメージが湧きました。
特に代々木公園でキャンプなどは、今まで考えたことがなかった。また動物園というのも、渋谷ではなかなか動物とふれあえないのでいいなと思いました。

僕も子育てをしていて、娘から『代々木公園に行きたい』と言われたことがない。それは遊具がないから。公園としては少し残念な部分だなと感じてもいる。
ストリートスポーツは本来、街なかでやるから“ストリート”スポーツなんだけど、住民からの苦情でなかなかできなかったりする。それらは公園でできるようにするべきだと思っている。本当の街なかでできなくても、公園のなかに多様な人が集って、公園が街みたいになればいい。そこに人が住んでいる必要はなくて、それぞれの目的を持って皆が“訪れる”街。

今日はヒントをたくさんいただいたので、うまくアイデアとして盛り込んでいけたら。可能性をシナリオにして、企画として渋谷区に届けていきたい。
今日参加してもらった子供たちが成人する頃には、今度は自分の子供を連れて、遊びに行きたくなるような公園になるといいですよね」

今回は子供たちに意見を伺いましたが、今後も多くの意見を取り入れながら、構想をアップデートをしていくため、イベントを定期的に行っていきます。

オフィシャルサイトにてより多くのみなさまのご意見、コメントを募集しています。本構想に賛同いただける方は、ぜひ応援の声や投票もお願いします!

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